帽子と聞いて、ベースボールキャップやニット帽などにすぐ思い浮かぶかも知れませんが、「ハンチング」はその中でも一味違った魅力を持つ、大人のための精緻な帽子です。 今回は、そんなハンチングの魅力や歴史、現代でのコーディネート例まで、詳しく解説していきます。
ハンチングのルーツはイギリスの紳士文化
ハンチングキャップ（英：Hunting Cap）はその名の通り、19世紀イギリスの上流階級の狩猟（ハンティング）時に使用されていました。 当時のイギリスでは、狩猟は社交の場でありマナー、やドレスコードが求められていました。
素材にはツイードやウール、コットンなどが使われ、丈夫かつ保温性にも優れています。特に秋冬には上品なツイード素材のハンチングが人気を集めています。
ハンチングとフラットキャップの違い
ハンチングキャップは、クラウン（頭頂部）が前傾しており、つばと一体化しているのが特徴です。 見た目としては「前が平らで、後ろに向かってやや平行を向いている」シルエット。 似た形状で「フラットキャップ」や「アイビーキャップ」と呼ばれることもありますが、素材や縫製の違い、国による呼称の違いなどで一応に分けられることもあります。
一般的には「ハンチング＝クラシック」「フラットキャップ＝カジュアル寄り」とされることが多いですが、どちらも同系統の帽子と考えて差し支えありません。
ハンチングの魅力
1. クラシックな大人の雰囲気
ハンチングは、その端正なフォルムと古典的な素材感から、どこか懐かしい上品な印象を与えてくれます。コーディネートに取り入れるだけで、スタイルに馴染みが増し、大人の余裕を演出できます。
2. 顔型を選ばない万能型
丸顔、面長、ベース型など、どんな顔立ちにも合いやすいのがハンチングの優れたポイント。つばが前に出ているため、正面立体的に見える効果もあり、野暮ったくならないのが魅力です。
3. 季節を問わず楽しめる
春夏はリネンや薄手コットン、秋冬はウールやツイードなど、素材によって表情が変わるのもハンチングの楽しさ。
現代のハンチング・コーディネート術
●メンズ編：クラシック×モダンの融合
- ツイードハンチング × シャツ × サスペンダー × チノパン
レトロな英国スタイルを意識したコーディネート。 なんとなく現代風にスニーカーで抜け感を作れば、クラシックすぎずおしゃれに仕上がります。
- レザーハンチング × MA-1ジャケット × ブラックデニム ワイルド
さと上品さのバランスが絶妙なスタイル。 ストリートとクラシックの要素を掛け合わせた今っぽいです。
●レディース編：ボーイッシュからフェミニンまで
- ウールハンチング×ボーダートップス×フレアスカートパリ
ジェンヌ風のフェミニンカジュアル。ベレー帽よりも少しカジュアルな印象で、気取らず使えるのが魅力。
- コットンハンチング × ビッグシルエット T × スキニーデニム ストリート系・ジェンダー
レスな雰囲気にぴったりの着こなし。 カジュアルな中にも個性が光ります。
ハンチングはどこで買える？
セレクトショップや帽子専門店ではもちろん、ファストファッションブランドからも展開されています。 特に秋冬シーズンになると多くのブランドからツイードやウール素材のハンチングが最近登場します。 選ぶ際は、頭のサイズにフィットするものを選ぶのが基本です。
ハンチングで日常に少しの品を
どちらにしても多くなる現代において、ハンチングは少しの品や知識さをプラスしてくれる希少なアイテム。 帽子一つでここまで印象を変えられるのは、ファッションの面白さでもあります。
「ちょっと違う人とスタイルを楽しみたい」「上品な雰囲気を出したい」「でもやりすぎは避けたい」——そんな方には、ハンチングはぴったりの選択肢です。
コメント